2014年度 第3回 月例セミナー

<パーソナルデータ利活用と個人情報保護法>

2014年08月20日開催

講演概要

「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」の読み方を政府検討会の委員である新潟大学の鈴木正朝先生にご講演頂きます。下記は鈴木先生から寄せられた講演の内容です。



各企業はビッグデータビジネスの企画・構築に取り組みはじめているが、要所でプライバシー・個人情報の保護の問題が立ちはだかり、自信をもって推進できない状況に置かれている。適法か違法かの判断に迷うグレーゾーンが広ければ躊躇するのも無理はない。

しかし、Suica履歴データ提供問題は、はたしてグレーゾーンだったのか。行政の解釈及び通説に従うならば、提供された記名式Suica履歴データは第三者提供の制限(23条)に照らし違法、無記名式Suica履歴データは適法となるのではないか。また、欧米においては、無記名式Suicaもまた法の適用があるのではないか。

まずは、現行法における特定個人の識別情報の解釈、容易照合性の解釈を押さえることが前提となり、次に、匿名化・仮名化の定義及び、大綱に明記された「個人特定性低減データ」とは何か、当初なぜ「準個人情報」が議論されたのか、を理解することが法改正の動向を追う上で必須の知識となる。

また、ベネッセ個人情報流出事件を契機に名簿屋規制が改正法の主要論点の一つとなった。その点を含めて「パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱」の読み方を解説する。

講師


新潟大学 法学部教授
パーソナルデータに関する検討会 委員

鈴木 正朝 氏


セミナーレポート

第3回月例セミナーは、新潟大学 法学部教授 鈴木 正朝氏をお招きし、「パーソナルデータ利活用と個人情報保護法」をテーマに、ご講演を頂きました。

講演は「パーソナルデータに関する検討会」という名称の背景等の解説から始まりました。ビッグデータの利用はグローバルな視点で考慮すべき問題であり、データの越境問題(法律が異なる地域間のデータの利用)にわが国としてどのように対応し、個人の権利を保護しつつ産業競争力を維持すべきかが問われるという文脈で講演が進みました。欧州と米国がプライバシー保護の理念において相違がなく、方法論における相違をしっかりと理解し、これらに加わることができる日本の法体系の必要性が述べられました。更に、PIIや個人情報保護の限界とそれらを打破する新しい概念が既に提唱されている点を踏まえて、具体的な事例の解説を通じて、わが国のリーダや専門家が認識すべき論点を整理されました。

当日の参加人数は92名です。講演終了後のQ&Aにおいても、具体的な質問が出され、熱心な討議が行われました。

講演資料

講演資料は下記からダウンロードできます。(JASA会員/CAIS・QISEIA資格者のみ。ログインが必要です)

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