2019年度 第4回 定例研究会

<最新のセキュリティ脅威、及びセキュリティ対策の最新動向>

2020年02月05日開催

講演概要

近年、IoT、5G、自動車などの新しいインフラ環境におけるサービスが生まれてきている。このような環境において、見えている最新の脅威を共有し、その対策として、ダークネットやハニーポット等のPassiveな防御から、より攻撃者の特定などのActiveな防御に向けた取り組みなどを紹介し、今後のOffensiveなセキュリティ確保に向けた展望を議論する。

講師


国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)
 主管研究員
横浜国立大学 客員教授
内閣官房 NISC参与

中尾 康二 氏

セミナーレポート

第4回定例研究会は、国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)主管研究員 中尾 康二氏をお招きし、「最新のセキュリティ脅威、及びセキュリティ対策の最新動向」をテーマに、ご講演を頂きました。

NICTにおけるサイバーセキュリティの研究開発の方向性について、前半はNICTにおけるサイバー攻撃を想定した観察、分析、共有プラットフォームから見えてくる最近の脅威についてのご説明がありました。この中では、まず観察のベースとなるダークネットの解説、サイバー攻撃であるランサムウェア、DoS攻撃、標的型攻撃の特徴やそれぞれの具体的な事例の紹介、さらにこれらの攻撃が全世界においてどの地域から発信されて、どの地域に向けられているかといったサイバー攻撃の傾向を可視化するNICTERのデモなどが随所に交えられ、臨場感のあるご講演となりました。

後半のセッションでは、IoT、Connected Car、5Gといった新しい分野におけるセキュリティ対策の課題とNICTにおける取組についてのご紹介がありました。IoT機器からの侵入で広がったMiraiの攻撃の特徴やグローバルな感染の状況、セキュリティが保たれていないWebカメラが全世界に放置されている実情などが示され、身近にある危険性を実感することができました。またこういった問題に対して総務省で考えられているIoTセキュリティ戦略、今後のIoTのセキュリティに関するNICTでの研究などを示していただきました。まとめとしてNICTでの活動の全体像、今後の研究開発の方向性が紹介され、全体の講演が締めくくられました。

当日の参加人数は83名でした。全体を通して、最新のセキュリティ事情についてNICTでの活動を中心に身近な事例、デモを含めてわかりやすくご説明いただき、アンケートの中には今後定期的にご講演をお聞きしたいという意見も出されていました。

講演資料

講演資料は下記からダウンロードできます。(JASA会員/CAIS・QISEIA資格者のみ。ログインが必要です)

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